日本百名山の一つ巻機山(標高1,967m)の登山口に位置する清水集落は、古くから関東と越後をつなぐ要衝の地でした。戦国の武将上杉謙信は、関東出兵の折に軍馬を引き連れて何度も山を越え、明治時代には山を切り開いて国道が作られました。山手線などJRの列車を動かす電力も、信濃川にある発電所から清水集落を経て首都圏へと送られています。
集落には18世帯約60人が暮らしています。かつては山仕事が主たる仕事でしたが、林業の衰退でほとんどの世帯が、10キロ以上離れた市街地に通勤するようになっています。
標高600m前後の集落には、冬場には4m近い雪が積もります。何カ月もの間、毎日のように家の周りの除雪が必要になり、その負担は高齢化した家庭に重くのしかかっています。
「ずっと住み続けられる清水に」を合言葉に、2008年に「清水地区活性化委員会」が組織され、伝統の原木なめこの事業化などに取り組んでいます。